コラム

プール監視業務と警備業法の関係について

プール監視業務と警備業法の関係について

夏といえばプールの季節です。繁忙期のプールを円滑に、そして安全に運営するためにはプール監視員が欠かせません。

しかしながら警備業法との関係で、どのような業務でどのような人を雇えばいいか困惑しているプールの施設責任者も多いことでしょう。そこで今回はプール監視業務と警備業法の関係について詳しく解説します。

さらにプール監視員を依頼する際のポイントについても紹介します。

プール監視は誰でもできる?必要な資格とは

プール監視は誰でもできる?必要な資格とは

従来プール監視業務は誰でもできていました。夏のバイトの定番として多くの若者が働く姿を見たことがあることでしょう。

しかし痛ましいプールでの死亡事故を契機に、2012年「プール監視業務は警備業に該当する」という通知が警視庁から発せられました。これにより原則プール監視員は、警備業の認定を受けていることが必要となりました。ただしいくつかの例外があります。

無償と有償でできる人が変わる

警備業法では、「警備業務とは他人の需要に応じて行うもの」と定められています。プールの施設管理者が有償で外部の企業にプール監視業務を委託する場合、これに該当します。

したがってその企業は警備業の認定を受けていることが必要です。他方で「他人の需要に応じて行うもの」でなければ警備業務に当たらず、警備業の認定を受けていなくてもプール監視業務が可能です。

たとえばプール施設管理者が自社の職員にプール監視業務を命じることがこれに該当します。また自発的に人や法人がプール監視業務に従事した場合も警備業務に該当しません。

ボランティア団体やNPO法人が無償でプール監視業務にあたるなどが一例です。このように無償か有償かで、プール監視業務を可能とする人が変わります。

プール監視員に必要な資格

従来プール監視業務は誰でもできていました。夏のバイトの定番として多くの若者が働く姿を見たことがあることでしょう。

しかし痛ましいプールでの死亡事故を契機に、2012年「プール監視業務は警備業に該当する」という通知が警視庁から発せられました。

これにより原則プール監視員は、警備業の認定を受けていることが必要となりました。ただしいくつかの例外があります。

プール監視は内容によって警備業になる

プール監視は内容によって警備業になる

プール監視業務といっても色々な種類の仕事が内包されています。従事する業務によっては、警備業法の「警備業」に該当しない場合があります。詳しく見ていきましょう。

警備業にならないプール監視

プール監視業務でもチケット売り場などの受付業務のみに従事している場合は警備業にあたりません。また営業終了後のプール清掃やプールの水質検査のみに従事している場合も同様です。

ただしこれらの業務に加えて遊泳者監視などの業務に従事した場合、一体として警備業とみなされます。注意してください。

警備業になるプール監視

警備業法は警備業務を4つに分類しています。そのうち1号業務と呼ばれる「施設警備」が通常のプール監視業務、2号業務と呼ばれる「交通・雑踏警備」が遊園地などに併設されている大型プール監視業務に該当します。

したがってこれらのプールで目視による遊泳者監視、危険行為防止を呼びかけるアナウンス、溺者の発見・救助などの業務が警備業にあたる内容です。

プール監視業務を依頼する際のポイント

プール監視業務を依頼する際のポイント

プール監視業務を外部の企業に依頼する際に、いくつか気をつけるべきポイントがあります。

有償の場合は警備会社に依頼

上述したようにプール監視業務を有償で依頼する場合は警備業務に該当するので、必ず警備業の認定を受けた警備会社に依頼しましょう。

認定を受けていない企業に依頼すると、警備業法違反として罰則を受けます。またプールの水質検査や清掃業務を個々に依頼せず、プール監視業務と一緒に依頼する場合にも、警備会社に依頼する必要があります。

早めの依頼を心がける

プール監視業務は警備業務の中でも特殊な部類に入ります。通常の研修に加えて、プール上の安全管理の知識が必要とされるからです。

そのため対応できる警備会社の数は限られています。加えて夏のプールシーズンになると、依頼が殺到します。シーズンインする前にあらかじめ依頼して、プール監視員の数を確保しましょう。

安全に配慮したプール監視業務を!

以上のように、プール施設管理者は警備業法によく注意しましょう。従業員の数が不十分な場合には、必ず警備業認定を受けた警備会社に依頼してください。

警備業法違反は罰則に加えて、企業の社会的信用を低下させます。そして何よりもプールにおける事故発生リスクを著しく引き上げます。取り返しがつかない事故が引き起こらないよう、安全管理を徹底してプール監視にあたってください。