コラム
警棒と特殊警棒は伸縮性が違う!使い方などを解説
警備員は財産や安全を守ることが仕事ですが、場合によっては自身の身を守るために護身用の武器を用いる必要に迫られることもあります。
警備員が所持できる武器は警棒ですが、単に振り回せば良いのではなく、正しい方法で扱うことが重要と言えるでしょう。同じ警棒でも材質によって特徴が異なるのでその点にも注意することが大切です。
ここでは警棒と特殊警棒の違いや材質、正しい扱い方についてお伝えします。
目次
警棒と特殊警棒の違い
警棒は文字通り、警備を行う際に携帯する棒状の道具です。
似た道具にこん棒がありますが、こん棒と警棒は形状が異なります。こん棒は握る部分が細く、殴打する部分が太くなっているのに対し、警棒はどの部分も太さが均一です。稀に例外もありますが、警棒と言えば均一の太さを持つ棒と解釈することができます。
警棒はあくまでも護身用の道具であり、こん棒のように積極的に用いる武器ではありません。そのため、攻撃力を抑える目的で均一の太さで作られています。
特殊警棒は伸縮する構造になっているのが特徴であり、従来の警棒よりもコンパクトに収納できる利点があります。特殊警棒は警備用器具を製造するメーカーの登録商標であり、一般的には伸縮式警棒が正しい名称です。
しかし、特殊警棒は広く知られている名称であり、他メーカーの製品を特殊警棒と呼ぶのは誤りとは言い切れません。
特殊警棒の材質について
金属製
特殊警棒は伸縮する仕組みになっていますが、これは内部が空洞になっているパイプ状の棒を組み合わせることで可能になります。
警棒は頑丈な作りであることが何よりも重要であることから、特殊警棒の多くは金属製です。
鉄をベースにしたアルミ合金が一般的ですが、高品質な物はカーボンなど特殊な素材が含まれています。アルミ合金よりも軽量で強度があることから長持ちしますが、一方で高額なことも事実です。
ゴム製
特殊警棒の中には固く加工したゴムで作られている物があります。
ゴム製の特殊警棒は金属製と違い、折り曲げに強いのが特徴です。ゴムそのものは金属より柔らかいので、鞭のようにしなります。
人の体に傷をつけずに痛みだけを与える効果があるため、外国では警備員だけではなく警察でも使われています。安全な警棒と言えますが、熱に弱いので取り扱いには注意が必要です。
プラスチック製
硬質プラスチックで作られた特殊警棒は非常に軽く、非力な女性でも容易に扱うことができます。
金属部品が使われていない物もあるので、金属探知機が置かれている場所での使用に適していると言えるでしょう。
硬質プラスチックは金属並みの強度があるので特殊警棒の素材に用いても不具合はありませんが、ゴムと同様に熱には弱いので高温や火気には近づけないのが賢明でしょう。
特殊警棒の使い方
握り方・伸ばし方
特殊警棒はしっかりと握ることが大切です。軽く持つだけでは振った際に落としてしまうことがあります。
また、対峙した相手に奪われるおそれもあることから、握る際は握り手に付いている吊り紐に腕を通すことを忘れてはいけません。吊り紐の長さに余裕がある際は余った吊り紐と一緒に握り手を持つことで、誤って落とすリスクを軽減できます。
特殊警棒は先端部分を持ちながら引っ張ることで伸ばすことができますが、わずかな時間とはいえ隙が生じるのも事実なので注意しなければいけません。
特殊警棒のほとんどは内部にロック機能があり、最大まで伸ばすとロックがかかる構造です。ロックがかかるとその状態で固定され、簡単には縮めることができません。
特殊警棒には振出式と呼ばれる、力いっぱい降ることで最大まで伸びる構造の物があります。手動で伸ばす方法よりも時間がかからず、相手への威嚇効果も期待できます。
打撃・威嚇
警棒を持つ目的は相手への威嚇です。実際に殴るのではなく、自分には殴る意思があることを示すのが本来の使い方と言えるでしょう。
特殊警棒も使い方は同じですが、縮めた状態のままでは警棒としての効果が得られないので最大まで伸ばす必要があります。
伸ばした特殊警棒で威嚇する方法は先端部分を相手につき出す形で構えるのが一般的です。特殊警棒は細く軽い作りなので片手で持つのが普通です。
打撃を行う場合は頭上まで振り上げ、相手の腕や肩へ叩きつけるのが最も簡単な方法になります。特殊警棒は細いので体に当たる表面積が狭く、相手にもたらすダメージは決して多くありません。
最も力を入れることができる、上部からの振り下ろしが効果的な使い方と言えるでしょう。
戻し方
特殊警棒は一度伸ばすと簡単に戻すことはできません。
使っている最中に収納されてしまうのを防ぐため、敢えて戻りにくい作りになっています。
特殊警棒を収納する際は先端部分を固い床などに立てて、力いっぱい押し込むのが正しい方法です。
警棒は正しく慎重に使う
警棒は扱いやすい道具ですが、正しい方法で扱わないと良い効果が得られないのも事実です。
特に特殊警棒は収納している警棒を伸ばして使う物なので、慎重に扱うことを忘れてはいけません。
護身用であっても打撃で相手にダメージを与える武器である事実は変わらないので、その危険性を熟知する姿勢が求められます。警備の仕事の本質を理解し、自分の役割を遵守することが警棒を正しく扱う心得になります。