コラム
立哨や座哨とは?それぞれの特徴やメリット・デメリットを紹介
施設警備員の代表的な警備方法に、「立哨」と「座哨」の2つがあります。どちらも目的は同じですが、動作や身体への負担のかかり方に違いがあり、注意が必要です。
施設警備員として長く働いていくためには、この2つの違いについて知っておくことが大切です。今回は、立哨と座哨の違いや特徴、それぞれのメリットやデメリットについて紹介しましょう。
目次
警備の立哨・座哨とは
立哨とは
立哨は、その名の通り、立って見張るという意味の言葉です。建物や施設の入り口で来場者の安全を守ったり、不審者がいないかどうか監視したりするのが目的で、立哨は施設警備員の最も基本的な業務となります。
「周囲を良く見渡せる」「人の出入りが激しい場所」など、特定の位置で正しい姿勢を保ちながら、トラブル防止のために目を光らせ、業務を遂行します。
座哨とは
座哨とは、こちらも読んで字のごとく、座って見張るという意味の言葉です。基本的に目的は同じであり、立って警備を行うか、座って警備を行うかで、この2つの言葉を使い分けています。
立ったままでいるか、座ったままでいるかによって、姿勢の保ち方や動作が違いますし、身体への負担のかかり方は変わってきます。
また、不審者がいた場合は素早く行動をしなければならないので、座哨だった場合でも、常に監視の目を光らせる必要があるでしょう。
立哨と座哨のメリット・デメリット
立哨
ここからは、一か所に立って監視する立哨のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
【何か起こった時に素早く対応できる】
警備業務の基本は、トラブルを未然に防止することです。立っていれば、即座に行動に移すことができ、万が一には迅速に対応することができるでしょう。
立ったまま仕事を行うことで適度な緊張感が得られ、集中力アップや眠気防止にもなります。
【犯罪の抑止力になる】
監視なら、監視カメラでもできます。なぜ立ったまま監視をするのか、それは立哨は抑止力という意味で重要な意味を持っているからです。
鋭い眼光をした警備員が施設に立って見張っていれば、何か良からぬことを考えていた人が、思いとどまるということもあります。警備員が立哨という警戒態勢を取っていることは、不審者の立場では非常に脅威となります。
デメリット
【体力的な負担が大きい】
立っているだけでも抑止力に繋がる警備員は、なるべく正しい姿勢でビシッと立っていることが大切です。
そのため、業務中はどちらかに足に体重をかけて休んだり、座ったりすることができませんし、立哨には忍耐力が求められます。
立ちっぱなしにより体力的な負担も大きいですが、体力を温存しながら、最後まで集中力を持って任務にあたらなければいけません。
座哨
ここからは、座ったまま周辺を警備する座哨のメリットとデメリットを紹介します。
メリット
【人と接する楽しみがある】
座哨は、立哨と違い、受付、鍵の貸し出し、落とし物の管理などを行うことがあり、座哨は人と接する機会が多いのが特徴です。人と接するのが好きだったり、コミュニケーション能力を磨きたかったする人は、やりがいを感じやすいでしょう。
【体力を温存しやすい】
ずっと座っていることにより、体力を使う場面が多くないため、座哨は比較的負担が少なくて済むのがメリットです。体力に自信がない人や、高齢者の転職者に向いている業務と言えるでしょう。肉体的な負担が少ないことで、体力を温存し、最後まで高い集中力を維持しながら働くことができます。
デメリット
【腰やお尻に負担がかかる】
座哨はずっと座りっぱなしなため、腰やお尻に負担がかかりやすいです。腰に持病を抱えている場合、立哨よりも作業が辛くなる可能性もあります。
また、座ってしまう時間が長いことで、気を抜くと睡魔が襲ってくることもあるでしょう。座哨で警備をする時は、自分を律する力が必要になります。
その他の施設警備員の業務
巡回
巡回は、不審者がいないか、異常がないか、施設内を歩いて周り、確認する業務です。
施設が大きいと、それだけ行動範囲も広くなるでしょう。じっとしているのが苦手な人や、一つのことに集中して取り組むのが苦手な人に、向いている業務です。
受付
警備員の受付業務とは、裏口で出入り管理をすることです。施設に入ってくる人、物、車などをチェックし、いつ、どこで、誰が出入りしたのかを、管理していきます。受付では、こうした出入りの管理の他、防犯カメラのモニターの監視も業務に含まれていることがあります。
動哨
動哨は、その名の通り、動きながら、歩きながら警備をする業務です。巡回は決まったルートを歩きますが、動哨はどこを歩いても良いようです。自由度が高いため、自分で考え、行動する能力が求められます。
立哨と座哨はどちらも同じくらい大切
立哨か座哨、どちらが楽か、合っているかは個人差があるでしょう。
しかし、警備員としての役割については双方とも変わりはありませんし、どちらも施設警備員にとって大事な仕事となります。
警備員としての心構えとスキルをしっかりと身につけつつ、自分なりの働き方を見つけることで、仕事の時間がより有意義になるはずです。