コラム

警備業法の違反事例とは?違反例と処分内容を解説

警備業を営むうえで、警備業法をしっかりと把握しておかなけらばなりません。違反してしまうと営業停止や罰金などの処分が課される場合があるので、注意が必要です。

この記事では、よくある警備業法の違反事例と処分内容、押さえておきたい警備業法の条項について解説します。

よくある警備業法の違反事例と処分内容

よくある警備業法の違反事例と処分内容

よくある警備業法の違反事例には、以下の4つがあります。

  • 警備員の違法派遣
  • 警備員への教育懈怠
  • 教育実施簿の虚偽記載
  • 警備業法15条違反

警備業法に違反すると、処分や罰則が課される場合がありますので注意が必要です。
警備業法の違反事例と処分内容について解説します。

警備員の違法派遣

警備業法の違反事例1つ目は、警備員の違法派遣です。警備会社に人手が足りず、他の警備会社から応援として警備員を派遣してもらった場合、違反になることがあります。

他の警備会社から応援として警備員を呼ぶこと自体は違反ではありませんが、再委託の正当な手続きを踏んでいないと違法派遣となるので注意が必要です。

再委託についての詳細や注意点については、以下の記事で詳細に解説しているのでご参照ください。

警備員の違法派遣を行った場合、派遣した側・派遣を受けた側両方が処分の対象となります。7日〜14日の営業停止処分となることが多く、さらに指導教育責任者資格の返納も課せられる場合があります。

警備員への教育懈怠

2つ目が、警備員への教育懈怠(けたい)です。

教育懈怠とは、警備員に教育を受けさせずに現場で警備業務をさせることを言います。教育が間に合わない、経費削減などの理由で法定教育が不十分なまま現場に出すと、違法になってしまいます。

警備員教育と教育時間については、以下の記事をご参照ください。

基本的に営業停止処分となることが多く、日数は教育を受けた警備員の数に応じて決められます。

教育懈怠の場合の営業停止処分日数

  • 教育を受けた警備員の数が50%未満:1ヶ月
  • 50%以上70%未満:14日間
  • 70%以上90%未満:7日間
  • 90%以上:指示処分

教育実施簿の虚偽記載

教育実施簿の虚偽記載

3つ目の違反事例が、教育実施簿の虚偽記載です。

虚偽記載とは、警察の立入検査に対応するために、教育を行っていないのに行ったと教育実施簿に虚偽の記載をすることを指します。

虚偽記載が発覚した場合は、30万円以下の罰金や資格の剥奪といった重い処分が課せられます。立入検査で確認される書類の種類や内容を把握しておき、抜け漏れや虚偽記載がないように注意しましょう。

立入検査については、以下の記事をご参照ください。

警備会社への立入検査とは?チェックされる項目と必要書類について解説

警備業法15条違反

4つ目は、警備業法15条の違反です。

警備業法15条は警備業者ではなく警備員への権限を定義する条項で、違反しないよう教育を徹底することが重要です。

警備員が以下の行為をすると、警備業法15条違反の対象となります。

  • 職務質問類似行為
  • 交通整理類似行為
  • 取り調べ類似行為

警備業法15条については、以下の記事をご参照ください。

押さえておきたい警備業法

押さえておきたい警備業法

警備業法の違反を防ぐために、押さえておきたい警備業法の以下の条項について解説します。

  • 警備員の制限(第14条1項)
  • 警備業者等の責務(第21条第2項)
  • 警備業務実施の基本原則(第15条)

警備員の制限(第14条1項)

警備業法第14条は、18歳未満、または警備員の欠格要件である第3条〜第7条にあてはまる人物は警備員になってはいけないということを定めている条項です。

警備業を営む上で基本となる条項でもあるので、しっかり把握しておくことが重要です。

警備業者等の責務(第21条第2項)

警備業法21条第2項では、警備員への教育について、以下のように定められています。

警備業者は、その警備員に対し、警備業務を適正に実施させるため、この章の規定によるほか、内閣府令で定めるところにより教育を行うとともに、必要な指導及び監督をしなければならない。
引用:警備業法

法定教育時間を遵守し、新人教育や現任教育を行う必要があります。

警備業務実施の基本原則(第15条)

警備業法15条は、警備員の権限を制限するもので、以下のように定義されています。

警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。
引用:警備業法

警備員には警察のような権限はないため、取り調べや職務質問、交通整理などは行えないことをしっかり把握し、教育しておくことが重要です。

まとめ

再委託の手続きを正しく行なわずに警備員の派遣を行ったり、必要な教育を受けさせずに現場で警備業務をさせると、警備業法違反となります。警備業法を把握し、違反しないようにすることが重要です。

ぜひこの記事を参考に、警備業法の再確認を行ってみてください。

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