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【2019年改正】警備業法の改正点を解説。警備員教育と欠格事由について

【2019年改正】警備業法の改正点を解説。警備員教育と欠格事由について

2019年に、警備業法が改正されました。この記事では、警備業法の改正ポイントについて、わかりやすく新旧比較して解説します。

警備業法改正は、主に3つのポイントで行われました。

  • 警備員への教育時間
  • 警備員への教育方法
  • 警備員の欠格事由

上記3つの項目について、新旧比較と改正によるメリットを解説します。

警備業法の改正ポイント①教育時間の変更

警備業法の改正ポイント①教育時間の変更

2019年の警備業方法の改正ポイントは3つあり、その1つが警備員の教育時間の変更です。新人教育の場合と現任教育の場合では、教育時間の短縮がされています。

教育時間の改正ポイントについて、新人教育の場合と現任教育の場合、それぞれ見ていきましょう。

【新旧比較】新人教育の場合

新人教育の場合の教育時間は、対象となる警備員の区分ごとに、以下のように改正されています。

一般の警備員

  • 基本教育と業務別教育:(旧)それぞれ15時間以上(新)合わせて20時間以上
  • 実地教育の上限:(旧)8時間(新)業務別教育時間の2分の1(上限5時間)

警備業務1級、2級検定合格者、ならびに警備員指導教育責任者資格者証の所有者

  • 当該検定業務以外に就く場合の業務別教育:(旧)15時間以上(新)10時間以上
  • 当該警備業務経験者に対する業務別教育:(旧)5時間以上(新)2時間

機械警備業務管理者資格者証の所有者

  • 当該検定業務以外に就く場合の基本教育:(旧)15時間以上(新)10時間以上
  • 警備要務経験者、ならびに元警察官に対する基本教育:(旧)5時間以上(新)3時間以上

警備業務経験者

【当該検定業務に就く場合】
 ◇基本教育と業務別教育:(旧)それぞれ5時間以上(新)合わせて7時間以上
 ◇実地教育:業務別教育時間の2分の1(上限2時間)

【当該検定業務以外に就く場合の教育】
 ◇(旧)基本教育:5時間以上、業務別教育:15時間以上(新)合わせて13時間以上
 ◇実地教育:業務別教育時間の2分の1(上限5時間)

元警察官

  • (旧)基本教育:5時間以上、業務別教育:15時間以上(新)合わせて13時間以上
  • 実地教育の上限:業務別教育時間の2分の1(上限5時間)

参照:佐賀県警察「警備業法施行規則等の一部改正について(令和元年8月30日制定)」

新人教育の場合、基本教育と業務別教育をそれぞれ一定以上の時間行わなければならなかったのに対し、2019年の改正ではトータルでの時間に変更されています。

【新旧比較】現任教育の場合

現任教育の場合は、対象となる警備員の区分ごとに、以下のように改正されています。

一般の警備員

  • (旧)基本教育:半年(教育期)ごとに3時間以上
  • (旧)業務別教育:半年(教育期)ごとに5時間以上
  • (新)年度ごとに基本教育と業務別教育合わせて10時間以上

警備業務1級検定の合格者

【当該検定業務以外に就く場合の業務別教育】
 ◇(旧)半年(教育期)ごとに5時間以上
 ◇(新)年度ごとに6時間以上

警備業務2級検定合格者

【当該検定業務、またはそれ以外の業務に就く場合の業務別教育】
 ◇(旧)半年(教育期)ごとに5時間以上
 ◇(新)年度ごとに6時間以上

警備員指導教育責任者資格者証の所有者

【当該検定業務以外に就く場合の業務別教育】
 ◇(旧)半年(教育期)ごとに5時間以上
 ◇(新)年度ごとに6時間以上

参照:佐賀県警察「警備業法施行規則等の一部改正について(令和元年8月30日制定)」

現任教育の場合は、基本教育と業務別教育について、時間や頻度が変更されています。

全体的に、教育時間が短縮されるように改正されています。これにより、教育現場の負荷軽減や、警備員の早期の即戦力化が期待できるでしょう。

警備業法の改正ポイント②教育方法の追加

警備業法の改正ポイント②教育方法の追加

2つ目の改正ポイントは、警備員の教育方法の追加です。2019年の警備業法改正で、警備員への教育にeラーニングを利用できるようになりました。

教育方法に関する改正ポイントと、メリットについて解説します。

eラーニングが受講可能に

2019年の警備業法改正で、教育方法に「電気通信回線を使用して行うもの」が追加されました。以前は対面での教育のみでしたが、改正により警備員教育をeラーニングで行うことも可能になりました。

ただし、eラーニングを行う際は以下の条件を満たす必要があります。

  • 受講者が本人であるかどうかを確認できるものであること。
  • 受講者の受講の状況を確認できるものであること。
  • 受講者の警備業務に関する知識の習得の状況を確認できるものであること。
  • 質疑応答の機会が確保されているものであること。

引用:警備業法施行規則 第三十八条

警備員への教育でeラーニングを活用する際は、本人確認や理解度確認のための仕組みを整える必要があります。

eラーニングによるメリット

警備員教育でeラーニングが行えるようになったことで、以下のようなメリットが期待できます。

<警備員のメリット>

  • いつでもどこでも教育が受けられる
  • 動画をリピート再生するなどして、自分の理解度に合わせて学習できる

<警備会社のメリット>

  • 場所の手配が不要になり、講習開催の負担が減る
  • 人件費や会場費、教材費などのコスト削減が期待できる
  • eラーニングツールによって、学習度や理解度データを取得し可視化できる
  • 均質な教育を提供できる

警備員、警備会社の両方にとって、対面教育を行う負荷が軽減されることが主なメリットです。

警備業法の改正ポイント③欠格事由の変更

警備業法の改正ポイント③欠格事由の変更

改正ポイント3つ目は、警備員の欠格事由の変更です。

警備業法3条「警備業の要件」で、警備員の要件として欠格事由が以下のように変更になりました。

(旧)「成年被後見人、被保佐人、破産者で復権を得ないもの。」
(新)「破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者」

成年被後見人とは、認知症や精神障害、知的障害などで判断能力が不十分とされ、保佐人が財産管理や契約の締結といった法定権利を担っている人のことを指します。被保佐人とは、判断能力が不十分で生活に支障が出ている人で、裁判所から保佐開始の審判を受けた人のことです。

成年被後見人や被保佐人には「就労制限」があったが、人権侵害ではないかという認識から、警備業だけなくさまざまな職業で就労できるようになりました。

まとめ

2019年の警備業法改正について、ポイントを解説しました。教育時間の短縮や教育方法にeラーニングが追加されたことにより、警備員教育の効率化が期待できるでしょう。

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