コラム
警備員資格を一覧で紹介|内容と受験方法を解説
警備員には、行う業務によって資格が必要な場合があります。この記事では、警備員の資格を一覧で紹介し、試験内容や受験資格を解説します。
目次
警備員指導教育責任者
警備員指導教育責任者とは、警備員に対して指導や教育を行うことができる資格です。
警備員に指導をするには、専門的な知識や技能が求められます。警備業法では、警備会社の各営業所に、取り扱っている警備業務の区分ごとに警備員指導教育責任者を配置することが義務付けられています。
警備員指導教育責任者は、以下のいずれかの資格に該当する人が受験できます。
- 受講する警備区分の業務について、最近5年間に通算3年以上従事している方
- 受講する警備区分の警備業務検定1級の合格証明書の交付を受けた方
- 受講する警備区分の警備業務検定2級の合格証明書の交付を受けてから1年以上継続してその区分の業務に従事している方
- 受講する警備区分の旧検定1級に合格している方
- 受講する警備区分の旧検定2級に合格した後、1年以上継続してその区分の業務に従事している方
引用:東京都警備業協会
指導教育責任者の試験については、以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
機械警備業務管理者
機械警備とは、施設の各所に取り付けられたセンサーをはじめとする警備装置を使って行う警備業務です。侵入者や火災発生などの緊急時には、警察や消防と連携して対応します。ほかにもパトロールカーを使った施設内の巡回や、ATM、コインパーキングの機械トラブルにも対応します。
機械警備業務管理者の資格を取得するための、受験資格は設けられていません。警備業法の第3条における警備業の要件に該当しない人であれば、誰でも受験することができます。
参照:警備業法
4日間の講習を受けた後、最終日の考査に合格すれば取得できる資格です。
警備業務検定
警備業務検定は、特定の警備業務を遂行するにあたって必要となる知識や技能を証明するものです。2級と1級があり、1級を受験するには2級に合格したのち1年以上の実務経験を積む必要があります。
以下の章より、主に2級の試験内容について解説します。
施設警備業務検定
施設警備業務検定は、ビルや商業施設といった施設を警備する知識・技能を証明する検定です。学科試験と実技試験からなり、学科試験では警備業法や関係法令、保安業務、応急措置について出題されます。
実技試験は、以下の6つの項目より出題されます。
- 出入管理
- 自火報操作
- 巡回実施要項
- 警察機関への連絡
- 負傷者の搬送
- 警戒杖の基本操作
交通誘導警備業務検定
交通誘導警備業務検定は、工事現場や施設周辺で交通誘導を行うための資格です。一般道で交通誘導業務を行う際は、検定合格者の配置が必要となります。
交通誘導警備業務検定2級は、現職の警備員でなくても受講が可能です。2日間の特別講習を受けてから受験するか、直接受験するかの2通りの方法があります。
試験は、学科試験と実技試験が実施されます。学科試験は警備業法の基本的な内容に加え、道路交通法や交通誘導警備の知識を問う内容です。実技試験は合図の仕方や警察機関への連絡、負傷者の搬送、護身術などが問われます。
雑踏警備業務検定
雑踏警備業務検定は、イベント会場で警備業務を行うための資格で、イベントを行う際は検定所有者の配置が必要です。来場者の安全確保や、混雑の緩和を目的としています。
雑踏警備業務検定を取得するには、講習に参加して取得するか直接受験するかの2通りの方法があります。現職の警備員でなくても、欠格事由に該当していない人なら取得が可能です。
学科試験と実技試験があり、学科試験では警備業法や関係法令に加え、群衆の規制の方法や事故が起きた際の応急処置について出題されます。また実技試験では、負傷者の搬送や護身術、緊急車両の誘導路確保について出題されます。
雑踏警備に必要な資格については以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。
貴重品運搬警備業務検定
貴重品運搬警備業務検定は、現金や有価証券などの貴重品を運搬する業務に必要な検定です。貴重品警備にあたる全員が資格を持っている必要はありませんが、貴重品運搬車両に1名の資格保有者の配置が義務付けられています。
貴重品運搬警備業務検定を取得するには、2日間の特別講習を受けるか、直接受験するかの2つの方法から選択が可能です。
学科試験では、警備業法や関係法令、運搬車両の操作方法や周囲の見張りについて出題されます。実技試験では負傷者の搬送、警戒杖の基本的な操作方法、貴重品積卸し時の警戒などが出題範囲です。
貴重品運搬警備業務についての詳細については、以下の記事で解説しています。併せてご参照ください。
核燃料輸送警備業務検定
核燃料輸送警備業務は、核燃料をはじめとする危険物質を運搬する際の警備業務です。核燃料輸送警備業務検定は、講習を受けたのち終了考査に合格すると取得できます。
現職の警備員は2日間、これから警備員になろうとする人は6日間の講習の受講が必要です。学科試験と実技試験があり、学科試験では警備業法や関係法令に加えて、核物質や運搬に関する専門知識や法律について出題されます。
実技試験は、周囲の見張りや司令業務担当者への連絡方法などを問う試験となっています。
空港保安警備業務検定
空港保安警備は、手荷物検査や侵入者の警戒などを行う警備業務です。
空港保安警備業務検定2級は、講習ののち終了考査を受けるか、直接受験するかのどちらかで取得が可能です。
学科試験は警備業法や関係法令に加え、手荷物検査機器に関する専門知識や、乗客の接遇に関する専門知識、英語の知識も問われます。実技試験は乗客の接遇、手荷物検査、不審者の対応などが問われる試験となっています。
まとめ
警備員の資格には、警備員指導教育責任者、機械警備業務管理者、警備業務検定などがあります。受験の際はこの記事を参考に、受験資格や試験内容を確認してみてください。
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