コラム
警備員の現任教育とは|内容や教育時間、法改正の変更点
警備員には、警備会社に入社した際に受講する新任教育と、毎年受講する現任教育とがあります。
現任教育は、警備の質や技能を維持・向上するために必要な教育です。また、法改正についても現任教育で学ぶ必要があります。
この記事では、警備員の現任教育の内容や教育時間などについて解説します。
目次
警備員の現任教育とは
警備員の教育には、大きく分けて新任教育と現任教育があります。
警備員は警備会社に入社すると、まず新任教育の受講が必要です。新任教育には基本教育と業務別教育があり、警備員指導教育責任者という国家資格の所有者が教育を担当します。
基本教育は、警備員としての基礎知識や基本動作、警備に関連する法令などについて学びます。業務別教育は、施設や交通といった実際の業務に関連する事項を学ぶ内容です。現法令では、基本教育と業務別教育を合計20時間以上実施するよう定められていますが、有資格者や元警察官は規程が異なります。
警備員は、新任教育を受けてから実際の現場に配置されます。
警備の質を維持するための現任教育
現任教育は、新任教育を受け警備員としての業務をスタートさせている人が、1年に1度受ける教育です。警備業法で現任教育の受講が義務付けられています。
現任教育でも新任教育と同様、基本教育と業務別教育を受ける必要があり、教育は警備員指導教育責任者が担当します。
現任教育では、警備の質の維持や技能向上のための教育や、法改正をはじめとする新しい知識の習得が行われます。現任教育は年度ごとに実施し、基本教育と業務別教育を合わせて10時間以上の受講が必要です。
警備員の現任教育を受けないとどうなる?
現任教育は、警備業法で受講が義務付けられている教育です。受講しないと現場に立つことができません。また、警備会社としても現任教育を実施しないと法令違反となります。
ただし、自社で教育を実施することが難しい場合は、各都道府県の警備業協会の研修センターで受講させることも可能です。
【2019年度】警備員の現任教育についての法改正
警備員の現任教育の実施頻度や教育時間については、2019年度に法改正されています。
法改正前と法改正後の変更点は、以下のようになっています。
一般の警備員
旧
基本教育:半年(教育期)ごとに3時間以上
業務別教育:半年(教育期)ごとに5時間以上
改正後
年度ごとに、基本教育と業務別教育を合わせて10時間以上
警備業務1級検定、または警備員指導教育責任者資格者証の合格者(当該検定業務以外に就く場合の業務別教育)
旧
半年(教育期)ごとに5時間以上
改正後
年度ごとに6時間以上
警備業務2級検定合格者(当該検定業務、またはそれ以外の業務に就く場合の業務別教育)
旧
半年(教育期)ごとに5時間以上
改正後
年度ごとに6時間以上
参照:佐賀県警察|警備業法施行規則等の一部改正について(令和元年8月30日制定)
警備業務を依頼する際は教育の実施状況を確認
警備会社に警備業務を依頼する際は、新任教育や現任教育を法令通り行なっているかを確認することをおすすめします。新任教育と現任教育を行なっていない警備会社は、法令違反をしていることになります。
また、依頼したい業務内容に特化した教育を行なっているかどうかという点も、検討材料の1つです。雑踏警備や施設警備を依頼する場合、基本的なビジネスマナーが求められる場合もあるため、マナー研修を行なっているかどうかも確認するのがおすすめです。
業務内容によっては、有資格者の配置が義務付けられている警備業務もあるため、有資格者がいるかどうかも確認しておくことをおすすめします。
まとめ
警備員は、警備会社に入社した際に受ける新任教育と同様、基本教育と業務別教育を現任教育でも受講する必要があります。現任教育では、警備や技能の質を維持・向上するため、また法律の改正点などについて学びます。
現任教育は警備業法で義務付けられている教育であり、新任教育と現任教育を行っていない警備会社は法令違反となります。
警備会社に警備を依頼する際は、新任教育と現任教育を法令通り行っているか確認することが重要です。また、依頼したい業務に特化した教育を行っているかどうかも、警備会社の選定基準の1つとなります。
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