コラム
貴重品運搬警備業務2級とは?試験や仕事内容を解説
現金や貴金属、有価証券といった高価なものや貴重なものを運搬する際は、盗難や襲撃の危険性にそなえるため、貴重品運搬警備の資格を持った警備員の配置が必要です。
この記事では、貴重品運搬警備資格の試験内容や受験方法について解説します。
貴重品運搬警備では、貴重品を積卸しする際の警戒や、運搬車両の操作・並走などを行います。貴重品運搬警備の仕事内容や注意点についても詳細に解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
貴重品運搬警備とは
貴重品運搬警備とは、現金や貴金属、有価証券、骨董品などの貴重品の運搬を警備する業務です。区分上は、3号業務に分類されます。
貴重品運搬警備は基本的に2名以上の体制で警備し、貴重品を積んだ特別車両を運転することもあります。貴重品運搬警備にあたる警備員は、強奪の危険に備えて、防護服や警戒杖などの装備が必要です。
貴重品を安全かつ確実に輸送するための警備が求められるので、貴重品運搬警備では時間やルールが厳格に定められています。貴重品運搬警備にあたる警備員は、高い実務能力と専門性が必要です。
輸送警備における警戒4原則
貴重品運搬警備をはじめとする輸送警備には、「止めるな、乗せるな、離れるな、窓を開けるな」の4原則があります。輸送警備にあたる警備員は、この4原則をしっかり守ることが重要です。
4原則の1つ「止めるな」は、運送中に車を止めようとする者がいても、従わず走行を続けることです。ただし警察官による停止の場合は、運行管理官の司令業務担当と連絡を取り、本物か確認した上で指示に従う必要があります。
「乗せるな」は業務に関係のない人間を乗せないこと、「離れるな」は輸送車から離れないこと、「窓を開けるな」は襲撃を避けるため、移動中や停止中に窓を開けないことです。
高価なものや貴重品の運搬を警備するため、襲撃や盗難が発生する可能性を常に念頭に置いておく必要があります。
貴重品運搬警備業務2級とは
貴重品運搬には、貴重品運搬業務検定2級以上を保有している警備員を、車両ごとに1人以上配置しなければならないルールがあります。
貴重品運搬警備業務2級と1級について、受験資格や試験内容を解説します。
受験資格・合格率
貴重品運搬警備業務2級は、30時間の警備員新任教育を受けた者、かつ満18歳以上であれば受験できます。
受験資格というわけではありませんが、貴重品運搬警備では車両を運転することがあるので、貴重品警備の業務に就くためには普通免許が必要です。
貴重品運搬警備業務2級の合格率は、70%程度です。(参照:合格率データ)
試験内容
貴重品運搬警備業務2級を取得するためには、学科試験と実技試験に合格する必要があります。
学科試験では基本的な内容のほか、車両に関する事項や関係法令について出題されます。車両については操作方法や故障時の対応についても出題されるので、貴重品運搬車両に関する専門知識が必要です。
実技試験では負傷者の搬送や、警戒杖の操作方法、貴重品を積卸しする際の警戒要領などが出題されます。
合格率を上げたい人は2日間の特別講習がおすすめ
貴重品運搬警備業務2級は、都道府県の公安委員会が実施している試験を直接受験する方法と、特別講習を受けてから受験する方法があります。
警備員特別講習事業センターで実施される2日間の特別講習は、試験内容とほぼ同じ内容の講習なので、合格率をあげたい人におすすめです。
<講習内容:学科>
- 基本的な事項
- 関係法令
- 貴重品運搬警備業務車両の操作方法
- 周囲の見張り
- 事故が発生した際の応急措置 など
<講習内容:実技>
- 負傷者の搬送
- 警戒杖の基本的な操作方法
- 貴重品積卸し時の警戒 など
講習実施後に実施される終了考査に合格すれば、貴重品運搬警備業務2級を取得できます。
1級の受験資格・試験内容・合格率
貴重品運搬警備業務1級の受験資格は、2級検定に合格した後、当該実務経験が1年以上あることです。
試験内容は、学科・実技ともに「貴重品運搬警備業務の管理について」という内容が追加されます。2級同様に特別講習があるので、合格率を上げたい場合は講習後の修了考査で取得を目指すのがおすすめです。
貴重品運搬警備業務1級の合格率は、80%程度です。(参照:合格率データ)
まとめ
貴重品運搬警備では、盗難や襲撃の可能性にそなえて、厳格に定められたルールに従いながら警備を行う必要があります。
貴重品運搬警備を行う警備員は、輸送警備における基礎知識のほか、運搬車両に関する専門知識も必要です。貴重品積卸し時の警戒や特別車両の操作、警戒杖の基本操作といった実技も必要となります。
また、運搬車両1台につき1名以上の資格取得者が必要です。貴重品運搬警備には1級と2級があり、どちらも直接受験する方法と特別講習を受講してから取得する方法があります。合格の可能性を高めたい場合は、特別講習の受講がおすすめです。
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