コラム

警備業法15条をわかりやすく解説!具体例あり

警備業法15条をわかりやすく解説!具体例あり

警備員は、警備内容によって不審者の警戒や交通誘導など、さまざまな業務を行います。

来場者や施設利用者の安全を守ることを目的としていますが、警察官のような特別な権限は持っていないことを覚えておく必要があります。

警備員が自分の権限を超えて行き過ぎた行動をしないよう規定しているのが、警備業法15条です。この記事では、警備業法15条の内容や警備員が行ってはいけない行為について、具体例をまじえながら解説します。

警備業法とは

警備業法とは

警備業法とは、警備員が守るべき規則や、警備員になれる人の条件、警備業を営む際の条件などを定めた法律です。警備業務には1号から4号まであり、それぞれの業務を適切に行えるようルールを規定しています。

警備業務を適切に行えるよう規定すると同時に、警備員や警備会社が行きすぎた行為をしないようにするために制定されました。

警備業法は2019年に改正され、以下の点が変更となりました。

  • 警備員の教育時間、回数の変更
  • 警備員教育における講義方法の拡大
  • 空港保安と雑踏警備業務における配置基準の変更
  • 講習会の実施基準の変更

警備業法の改正内容については、以下の記事で詳細に解説していますので、あわせてご参照ください。

【2019年改正】警備業法の改正点を解説。警備員教育と欠格事由について

警備業法15条をわかりやすく解説

警備業法15条をわかりやすく解説

警備業法15条の条文は、以下のようになっています。

警備業者及び警備員は、警備業務を行うに当たつては、この法律により特別に権限を与えられているものでないことに留意するとともに、他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。

引用:警備業法

警備業法15条とはどのような内容なのか、どのようなことをすると警備業法15条違反となるのかについて、以下より具体例とともに解説します。

警備業法15条とは

警備業法15条は、警備員が自分の権限を超えて行き過ぎた行動をしないよう規定するものです。

警備員は、あくまで一般人であって、警察官のように特別な権限が与えられているわけではありません。警備員の業務は私人の管理権の範囲で他人の生命や身体、財産を守ることです。警備業法15条では、警備員が警察のような治安や秩序維持の権限を持っているわけではないことを定義しています。

警備業法15条で禁止されている事項

警備員は、以下のようなことを行うと、警備業法15条に違反してしまうので注意が必要です。

【職務質問類似行為】

職務質問は、警察官の権限で行います。警備員は不審者を発見したら制止や警戒を行いますが、職務質問や過度にプライバシーに踏み込むような質問を行ってはいけません。

【交通整理類似行為】

警備員は、交通誘導を行いますが交通整理はできません。交通整理は、警察官や交通巡視員が、強制力を持って車両を止めたり走行の制限を行います。警備員がおこなう交通誘導は、危険防止の範囲内で強制力を持たず行うものです。

【取り調べ類似行為】

警備業務中に不審者を発見した場合は警察に通報し警察官の到着まで待つ必要がありますが、その間取り調べを行ってはいけません。

警備業法15条の違反例

警備業法15条の違反例

具体的にどのような行為が警備業法15条違反になるのか、具体例を解説します。

(例)万引き犯に対し、カバンを開けて中身を確認した。

万引き班に対して警備員ができるのは、カバンを開けるよう依頼することです。警備員自らカバンを開けて、中身を調べることはできません。

(例)工事の邪魔になる場所に車を止めた運転手に対して、場所の移動を命じた。

警備員ができるのは、命令ではなくお願いです。違法駐車であっても、厳しい叱責や始末書提出などを求めてはいけません。

(例)不審人物の情報について、施設利用者や通行人に聞き込みを行った。

不審者情報について、施設の職員に質問することは可能ですが、施設利用者や通行人に聞き込みを行うことはできません。

不審者や万引き犯の対応には、咄嗟の判断が必要ですが、警備業法15条も念頭において自身の権限の範囲内で対応することが重要です。

警備業法15条が出てくる試験

警備業法15条に関しては、警備業法について出題される試験で必ず出題されると想定しておくことをおすすめします。警備業法について出題される試験の例としては、警備業務検定試験や警備員指導教育責任者、機械警備業務管理者などがあります。

警備業法15条の条文をよく読み、しっかり勉強しておくことが重要です。

まとめ

警備員は、イベント来場者や施設利用者の安全、交通の混雑解消などを目的とした警備業務を行います。ただし、警察官のような治安維持のための特別な権限は持ち合わせていないので、行き過ぎた行動をしないよう注意が必要です。

不審者に対しては警戒や制止を行いますが、職務質問や取り調べなどは行うことができません。また、交通誘導や車両移動の依頼をすることはできますが、交通整理を行うことはできません。

警備員の資格試験に関しては、警備業法について出題される試験で15条についても出題される可能性があります。警備員が行ってはならない行為について、しっかりと理解しておくことが重要です。

2019年に改正された警備業方法ついては下記のコラムにて解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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