コラム
警備員の人手が不足している原因は?警備業の現状と対策方法を紹介
「警備員の人手が不足している原因は?」「警備員の人手不足に向けた対策方法は?」などと悩んでいませんか?
警備業界の人手不足は深刻で、有効求人倍率は6.58倍と全職種平均を大きく上回っています。この課題に対しては、給与水準の見直しや勤務形態の柔軟化、テクノロジーの活用など、具体的な対策が効果を上げ始めています。
本記事では、警備員不足の現状分析から、人手不足の主な原因、そして具体的な対策方法まで、警備業界が直面している課題の解決策を詳しく解説します。
人事担当者や経営者の方々に向けて、即実践できる対策と成功事例を紹介しているので、警備員の採用や定着率向上にお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
警備員が不足している警備業界の現状
警備業界は深刻な人手不足に直面しており、保安業の有効求人倍率は6.58倍と全業種平均の1.22倍を大きく上回っています。特に施設警備(1号警備)と交通誘導警備(2号警備)での人材不足が顕著です。
警備員の平均勤続年数は全業種平均より短く、定着率の低さが課題となっています。また、警備業法による20時間以上の新人研修義務など、業界特有の規制も参入障壁となっているのが現状です。
参考:一般職業紹介状況(令和5年3月分及び令和4年度分)について|厚生労働省
警備員の人手が不足している主な原因
警備業界の人手不足が起きる原因は以下のとおりです。
- 若手の新規参入が少ない
- 不規則な勤務形態が負担に感じる
- 業界平均より給与水準が低い
- 体力的な負担が大きい
- 将来の成長機会が見えにくい
- 離職率が高い
詳しく解説します。
若手の新規参入が少ない
警備業界への若手の参入率は低く、20代の従事者は全体的に少なめです。新任教育の期間中は収入が限られ、若手にとって経済的な負担となります。
警備業界のキャリアパスは不明確なケースも多く、将来の展望が描きにくい現状があります。入社後の具体的な成長機会が見えづらく、若手人材の確保を難しくしています。
不規則な勤務形態が負担に感じる
警備業務は24時間365日の対応が基本となり、夜勤や休日出勤が必須です。シフト制による不規則な生活リズムが、心身の健康管理を難しくしています。
休暇取得の調整が難しく、プライベートな時間の確保が困難な状況です。長時間労働と不規則な勤務形態により、ワークライフバランスの維持が課題となっています。
業界平均より給与水準が低い
警備業界の平均月給は21万円程度で、全産業平均と比較して低い水準です。残業手当や夜勤手当を含めても、生活設計が立てにくい給与体系となっています。
賞与支給額も業界平均を下回り、年収ベースでの待遇改善が課題です。給与水準の低さは、人材確保と定着率向上の大きな障壁となっています。
体力的な負担が大きい
警備業務は長時間の立ち仕事と巡回が基本となり、体力的な負担が大きい職種です。施設警備では8時間以上の立哨や定期的な巡回業務があり、交通誘導警備では炎天下や寒冷地での屋外業務が求められます。
警備員の身体的負担は年齢を重ねるごとに増加し、特に50歳以上の警備員には負担が大きくなります。警備現場では休憩時間や交代要員の確保が重要な課題です。
将来の成長機会が見えにくい
警備業界では明確なキャリアパスが確立されておらず、昇進や昇給の基準が不明確です。警備員から管理職への昇進には警備業務の経験年数だけでなく、警備業法に基づく資格取得が必要となります。
警備員の技能向上や専門性を評価する基準が、業界全体で統一されていません。管理職や指導員といった上位職への昇進機会が限られており、長期的なキャリア形成が困難な状況です。
離職率が高い
警備業界では入社1年以内の離職者が多く、人材の定着率が低い状況です。新人教育期間中は収入が限られ、経済的な不安から早期離職につながるケースが発生します。
現場配属後は不規則な勤務形態や体力的な負担から、継続就業が困難となるケースが多く見られます。警備会社は採用活動と教育訓練に多くの時間と費用を投じていますが、定着率の改善には至っていません。
また、離職する前に多い行動は無断欠勤です。無断欠勤をする原因については以下にまとめているので、参考にしてみてください。
警備員の人手不足に向けた対策方法
警備業界の人手不足を解消するためには、対策が必要です。具体的な対策方法として以下が挙げられます。
- 給与水準の引き上げを行う
- フレキシブルな勤務形態の導入を試みる
- AIや遠隔監視システムによる業務効率化を図る
- 研修制度の充実度を上げる
- 福利厚生の拡充を図る
詳しく解説します。
給与水準の引き上げを行う
給与体系の見直しや手当の充実化を図れば、求職者の関心を高め、人材確保につながります。基本給の見直しに加え、夜勤や資格手当など各種手当の用意が大切です。
経験年数や保有資格に応じた明確な昇給基準を設定し、長期的な収入の見通しを示しましょう。賞与支給額の増額や退職金制度の整備により、総合的な待遇改善につながります。
フレキシブルな勤務形態の導入を試みる
従来の固定シフトから、4時間単位の短時間勤務や週3日勤務などの選択制を導入しましょう。高齢者や育児中の従業員向けに、負担の少ない勤務形態を設定します。
シフト希望の事前申告制や勤務時間の調整機能を備えた勤務管理システムを活用し、柔軟な働き方を実現することも大切です。
AIや遠隔監視システムによる業務効率化を図る
AIカメラやセンサーを活用した遠隔監視システムにより、警備員の負担を軽減する方法も1つの対策方法です。警備ロボットの導入により、夜間の定期巡回や記録業務を自動化します。
たとえば、タブレット端末による報告業務のデジタル化や、GPSを活用した警備員の位置情報管理を実施します。効率的な警備体制により、人員配置の最適化が可能です。
研修制度の充実度を上げる
警備業法に基づく法定研修に加え、実践的な現場対応力を養成する独自の研修プログラムを実施しましょう。警備業務の基礎から応用まで、段階的に学べるカリキュラムを整備します。
経験豊富な指導員による個別指導と、定期的なフォローアップ研修により、確実なスキル向上を支援します。資格取得支援制度を設け、警備員の専門性向上とキャリアアップを促進させることが大切です。
福利厚生の拡充を図る
社会保険の完備や有給休暇の取得促進、健康管理支援など、福利厚生の充実は従業員の満足度向上につながります。警備業務特有の身体的負担を考慮し、定期的な健康診断や休憩施設の整備など、働きやすい環境づくりを進めることが重要です。
従業員向け住宅手当や家族手当の支給により、生活面でのサポートを強化すれば、新たな人材を採用しやすくなります。
まとめ
警備業界の人手不足は、有効求人倍率が6.58倍と全業種平均を大きく上回る深刻な状況が続いています。主な原因は、低い給与水準や不規則な勤務形態、体力的な負担の大きさなどです。
優良な警備会社は、給与水準の引き上げや柔軟性のある勤務形態の導入などを進めています。しかし、課題解決に向けた取り組みを行っている警備会社を見つけるのは簡単ではありません。
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