コラム
警備員の仕事はAIに代替される?警備業界のAI導入事例や導入メリットを解説
「警備員の仕事はAIに奪われてしまう?」「AI導入で警備業務はどう変わる?」などと気になっていませんか?
警備員の仕事は今後、AIに代替される可能性が高いです。AIを搭載した警備システムの導入も進んでいるため、監視範囲の拡大と精度の向上が期待できます。
本記事では、警備員の仕事がAIに代替される可能性や導入の事例について解説します。AIを導入するメリット・デメリットもまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
警備員の仕事はAIに代替される可能性が高い
警備業界においてAIの導入が急速に進んでおり、従来の警備員の業務の多くがAIによって代替される可能性が高いです。AIは24時間365日稼働し、人間よりも広範囲を正確に監視できるため、単純な監視業務や巡回業務では人間の警備員を上回る性能を発揮します。
ただし、複雑な状況判断や緊急時の対応など、人間の経験や直感が求められる場面では人間の警備員が必要です。そのため、将来的には人間の警備員とAI両方が働く新しい形の警備が主流になると予測されます。
警備業界のAI導入事例
警備業界でもAIの導入が進んでいます。導入事例をまとめると以下のとおりです。
- ドローンを活用したAI警備システム
- AIを搭載したバーチャル警備員
詳しく解説します。
ドローンを活用したAI警備システム
セコム株式会社が、AIを活用して巡回・侵入監視を行う「セコムドローンXX」を開発しました。人や車両を検知する画像AIを搭載し、不審者や不審車両を自動で追跡・撮影する機能を持ったAI警備システムです。
主な活用事例は以下のとおりです。
- 広大な敷地の巡回監視
- 公共施設の点検業務
- 災害時の安全確認
- 河川の見回り
人手不足問題の解決や24時間365日の継続的な監視体制を実現し、人間では難しい高所や危険な場所の監視を可能にしています。
参照:日本初、AIを活用して巡回・侵入監視を行うセキュリティドローン「セコムドローンXX」を開発|SECOM
AIを搭載したバーチャル警備員
AIによる音声認識で来訪者対応を行う「バーチャル警備システム」を、同じくセコム株式会社が開発しています。カメラやモーションセンサーを搭載し、AI解析で周囲を監視する機能を持った、世界初のセキュリティシステムです。
バーチャル警備システムの主な機能は、警戒監視や受付業務、緊急対応の3つです。システムを導入した結果、人員配置の効率化とコスト削減、24時間体制での警備を実現しました。
警備員の仕事にAIを導入するメリット
警備の仕事にAIを導入すれば、以下のメリットが得られます。
- 人材不足の解消と業務効率化が見込める
- 監視範囲の拡大と精度が向上する
- 将来目線でコスト削減につながる
詳しく解説します。
人材不足の解消と業務効率化が見込める
AIの導入により、警備業界の慢性的な人材不足問題の解消が期待できます。単純な監視業務や巡回業務をAIが担えば、警備員は別の業務に集中することが可能です。
業務効率化の面では、AIによるデータ分析や報告書の自動生成により、警備員の事務作業時間が大幅に削減されます。
監視範囲の拡大と精度が向上する
AIを活用した監視システムにより、人間の目では困難な広範囲かつ高精度な監視ができます。AIカメラを使えば、人間の目では見落としがちな細かな動きや異常も検知します。
AIは疲労や集中力の低下がないため、長時間の監視でも精度が下がる心配もありません。人間の警備員が8時間シフトで交代する必要があるのに対し、AIは24時間365日、同じ精度で監視を続けられます。
将来目線でコスト削減につながる
AIの導入を進めていけば、長期的に見て大幅なコスト削減につながります。警戒監視や受付業務など、警備員が行っていた業務をAIが代わりに行ってくれるため、年間を通して人件費の削減が期待できます。
ただし、導入には初期費用がかかり、人員の調整を行う必要があるため注意しましょう。
警備員の仕事にAIを導入するデメリット
警備員の仕事にAIを導入すれば、人材不足の解消と業務効率化が見込めます。ただし、以下のデメリットもあるため注意が必要です。
- AIだけでは臨機応変な対応ができない
- システムの脆弱性に気をつける
- プライバシー保護の問題が発生する
詳しく解説します。
AIだけでは臨機応変な対応ができない
AIシステムは予測可能な状況には対応できますが、想定外の事態には適切に対処できない場合があります。たとえば、予期せぬ事故や事件が発生した場合、冷静に対応できる警備員の介入が必要です。
人間ならではの柔軟な対応力は、AIが持ちあわせていない強みです。そのため、AIを導入する際には警備員が行うべき業務の明確化が重要になります。
システムの脆弱性に気をつける
AI警備システムは、サイバー攻撃や物理的な破壊行為に対して脆弱な面があるため、導入する際には注意しましょう。もし警備会社のAIカメラシステムがハッキングを受ければ、監視映像が流出する恐れがあります。
ハッキングリスクに対処するため、定期的なセキュリティアップデートや人間の警備員による二重チェックが必要です。AIのシステム障害が起きた場合にすぐ対応できるよう、システム会社とすぐに連携できる環境を整えましょう。
プライバシー保護の問題が発生する
AI警備システムによる常時監視は顔を常に撮影するため、個人のプライバシーを侵害する可能性があります。顔認証技術を用いたシステムでは、個人情報の取り扱いに細心の注意を払いましょう。
収集したデータの利用目的を明確にし、必要最小限のデータのみを収集・保持するといったルールの策定が重要です。個人情報保護法を遵守し、システムの定期的な監査やリスク管理を徹底しましょう。
AI化が進む上で警備員に求められるもの
AI技術の進展に伴い、警備員は従来の警備スキルに加え、AI技術への理解やデータ分析能力が重要になってきています。たとえば、AI搭載の監視カメラやセンサーを取り扱う場合、情報を正確に解釈して適切な判断を下す能力が不可欠です。
他にも、事件や事故といった複雑な状況下での対人対応や、緊急時の的確な情報伝達スキルが求められます。AIの機能を理解した上で、人間にしかできない判断や対応を適切に行うことが、今後の警備員に必要となるスキルです。
まとめ
警備員の仕事は、AIの進化にあわせて代替される可能性があります。AIを搭載した警備システムの導入も進んでいるため、警備会社はAIシステムの導入と並行して、警備員のスキルアップにも注力することが大切です。
警備会社に依頼する場合も、時代の変化に合わせて柔軟に対応できる会社を選ぶのが得策です。AIという新しい技術を採用した警備会社は、警備員の教育にも力を入れている可能性があります。
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