コラム
【2024年改正】警備業法の改正点をわかりやすく解説!いつから施行?過去の歴史から今後の動向まで網羅

2024年4月1日、警備業法が大幅に改正され、警備業界のルールが大きく変わりました。認定証の廃止や標識掲示の義務化、手続きの電子化など、現場運営や企業活動に直結する重要な変更が盛り込まれています。
本記事では、改正のポイントや施行日、過去の改正経緯をわかりやすく解説します。さらに、警備業法の中でも現場で働く人や企業が特に押さえておくべき重要ポイントを、項目別に紹介しますので、参考にしてください。
目次
はじめに:私たちの暮らしを守る「警備業法」とは?
警備業法は、警備会社や警備員の業務を適正に規制する法律です。施設警備、交通誘導、雑踏警備など、人々の安全に関わる活動が対象となります。1972年の制定以来、社会の変化に応じて改正が繰り返されてきました。
法律の目的は、警備の質を維持し、依頼者や社会の信頼を守ることです。警備会社は公安委員会の認定を受けなければ営業できず、警備員の教育や資格、遵守すべき倫理も定められています。
近年は需要と求められる水準が高まり、法律も時代に合わせて改正されています。本記事では、最新の改正内容とその背景を紹介します。「今、何が変わったのか?」を確認しつつ、警備業法改正の全体像を理解していきましょう。
【2024年・令和6年】最新の警備業法改正のポイント
まずは2024年に行われた警備業法の改正ポイントを押さえましょう。今回の改正は政府の掲げるデジタル改革の一環として行われ、警備業界の手続きや運用の効率化がテーマとなっています。ここでは、主な変更点の概要と施行日について解説します。
主な変更点の概要
警備業法改正による主な変更点は、以下の通りです。
- 公安委員会が発行していた認定証(許可証)を廃止し、通知のみで交付終了
- 警備業者が自ら作成する標識の掲示を義務化
- 営業所の書類や各種届出の電子化・オンライン化を推進
- 制服届出手続きを簡素化し、オンライン対応を拡大
変更により事務手続きの負担が軽減され、業務のスピード化と社会的信頼の向上が期待されます。
いつから施行される?
最新の警備業法改正は、2024年(令和6年)4月1日に施行されました。施行後は、有効な認定証を持つ事業者も標識を作成し、営業所に掲示することが義務付けられています。また、ウェブサイトへの標識掲載も、一部の小規模業者を除き義務化されました。
なお、認定の有効期間(5年)や更新手数料(23,000円)に変更はなく、既存の認定証も返納不要です。ただし更新後は認定証が交付されないため、各事業者は標識を自ら作成し、掲示・公開する必要があります。
これまでの警備業法改正の歴史と主な改正点

法律は社会のニーズに合わせて進化するものです。警備業法も制定以来、社会情勢や業界の変化に応じて何度も改正されてきました。過去の改正の流れを振り返ることで、今回の改正がなぜ必要とされたのか、その意図や背景への理解も一層深まります。ここでは、主な改正時期と内容を整理し、業界への影響を解説します。
1972年(昭和47年):警備業法の制定
1972年7月5日に公布、同年11月1日に施行された警備業法は、1960年代後半以降の警備会社急増と不祥事を背景に制定されました。東京五輪や大阪万博で需要が高まるも法整備は遅れ、業界の健全化が急務でした。
制定により、公安委員会の認定制、欠格事由、基本原則が定められ、無許可業者の排除と警備員の身分明確化が実現しました。依頼者と社会の信頼を守る基盤が築かれ、警備業の健全な発展につながりました。
2005年(平成17年):警備員の資質向上を目指した大きな改正
2005年11月、約20年ぶりに大幅改正が行われ、警備員の資質向上と依頼者保護が柱となりました。主な改正点は以下の通りです。
- 重要業務:検定合格者を配置(空港保安・現金輸送など)
- 指導教育責任者:定期講習を義務化
- 契約関係:書面交付・苦情対応を義務化
- 法令遵守:暴力団排除・欠格事由追加・行政処分強化
改正により、人材育成と業務適正化が進み、業界全体の質が底上げされました。
2019年(令和元年):多様な働き方への対応
2019年8月30日の警備業法改正は、天皇即位の礼やラグビーワールドカップなど大規模行事を控えた慢性的な警備員不足に対応するため、14年ぶりに実施されました。主な改正点は以下の通りです。
- 新任教育:30時間以上 → 20時間以上、eラーニング導入
- 現任教育:年1回・10時間以上に緩和
- 欠格事由:成年被後見人・被保佐人を削除、実務困難時のみ制限
改正により、多様な人材活用と安全確保の両立を実現しました。
参考:警備業法|日本法令索引
参考:警備業法|法令検索e-GOV

項目別!知っておきたい警備業法の重要ポイント
ここからは、警備業法の中でも現場で働く人や企業が特に知っておくべき重要ポイントを項目別に解説します。
- 警備員の「教育」に関する規定(教育時間・現任教育)
- 「認定証」や「標識」のルール
- 警備員になれない条件「欠格事由」
警備員の「教育」に関する規定(教育時間・現任教育)
警備員には、採用時に受ける「新任教育」と、現役として活動する中で定期的に受ける「現任教育」があります。
- 新任教育:基本+業務別で計20時間以上(2019年改正で従来30時間から短縮)
- 現任教育:年度ごと10時間以上(法令改正や最新知識を習得する場)
- 研修方法:近年はeラーニングやVRなどデジタル手法も導入
教育時間や内容は法改正のたびに見直され、時代のニーズに即したスキル習得が求められます。警備員は他人の生命や財産を守る責務があり、専門教育は欠かせません。基礎から最新知識まで継続的に学ぶことで、現場対応力と社会的信頼を維持できます。
「認定証」や「標識」のルール
警備会社には営業許可証として「認定証」が交付されていましたが、2024年の改正で廃止され、代わりに営業所等への「標識」掲示が義務化されました。標識は定められた様式に従い、認定番号・有効期間・会社名などを明記し、営業所や自社サイトの見やすい場所に掲示します。
一方、警備業務検定に合格した警備員には「合格証明書」が交付され、業務中の携帯が義務です。認定証に代わる標識の掲示義務に加え、警備員の合格証明書の携帯義務を正しく理解することが、警備業法における重要なルールです。
警備員になれない条件「欠格事由」
欠格事由とは、警備員や警備業者として不適格とされる条件で、該当者は業務に就けません。主な例は以下の通りです。
- 18歳未満
- 重大犯罪歴
- 暴力団関係者
- 薬物・アルコール中毒
- 精神疾患で職務遂行が困難な場合
2005年改正で暴力団員排除や欠格事由を追加、2019年改正で成年被後見人・被保佐人を削除し、実務遂行困難な場合のみ制限する方式に変更されました。欠格事由は業界の信頼を守るフィルターであり、採用や役員交代時には必ず確認が必要です。
まとめ
警備業法改正は業界における大きな転換点であり、今後の警備業のあり方に直結しています。改正により生じる変化は企業や個人の利用者にも直接関わるため、依頼先を選ぶ際には、信頼できる体制やサービスの質を確認しましょう。
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