コラム
警備業の用語集|押さえておきたい用語を解説

警備会社との打ち合わせで、聞き慣れない用語に戸惑った経験はありませんか。警備業界には、日常ではあまり使われない専門用語が多くあります。
「用語の意味をなんとなくわかったつもりでいたけれど、きちんと知っておきたい」という方に向けて、この記事では警備業における用語を解説します。
警備業の分類に関する用語や、実際に現場で使う用語などについて解説するので、ぜひ警備業の基礎知識としてご参照ください。
目次
警備業務分類の用語

警備業務分類における、以下の用語について解説します。
- 1号業務、2号業務、3号業務、4号業務
- 施設警備
- 雑踏警備
- 空港保安警備業務
- 交通誘導警備業務
- 貴重品運搬警備業務
- 身辺警備
- 核燃料物質等危険物運搬警備業務
- 機械警備
1号業務、2号業務、3号業務、4号業務
これらは警備業法によって定められた警備業務の区分です。主に以下のような業務があります。
- 1号業務:施設警備、巡回警備など
- 2号業務:交通誘導、雑踏警備
- 3号業務:運搬警備
- 4号業務:身辺警備
施設警備
オフィスビルや住宅、商業施設、駐車場、遊園地など各種施設において、盗難や火災などの事故の発生を警戒し、防止する1号業務です。
雑踏警備
祭りや花火大会、コンサート会場など多数の人が集まる場所で、負傷などの事故の発生を警戒し、防止する警備業務です。2号業務にあたり、人の流れを整理して安全を確保するのが目的です。
関連記事:雑踏警備の役割とは?依頼するメリットや警備会社選びのポイントを紹介
空港保安警備業務
空港内の警備や旅客の持ち物検査、身体検査などを行う警備です。ハイジャック防止対策として行われる1号業務に分類されます。
交通誘導警備業務
工事現場やイベント会場などの周辺道路で、混雑緩和のため車両に対し交通誘導を行う2号業務です。
貴重品運搬警備業務
現金や貴重品・美術品といった、高価なものや貴重なものを運搬する際の警備で、3号業務にあたります。代表的なものは、銀行やATMに現金を輸送するための現金輸送車を用いた警備です。
身辺警備
警備対象者に付き添い、身体への危険を未然に防ぐ警備業務です。「ボディガード」とも称され、4号業務に該当します。
関連記事:警備4号の業務はボディガード!業務内容について解説
核燃料物質等危険物運搬警備業務
核燃料をはじめとする危険な物質を運搬するための警備業務で、3号業務にあたります。核燃料物質等危険物運搬警備を行うためには、検定資格の保有が必要です。
機械警備
警備業務用の各種センサーや警報装置を使用して、対象施設における盗難や火災などの異常の発生を監視し、防止する警備業務です。
関連記事:機械警備とは最新の警備方法!警備の種類からメリットまで詳しく解説!
警備で使用する用語

警備で使用する、以下の用語について解説します。
- 上番(じょうばん)、下番(かばん)
- 方交(かたこう)、片側交互通行
- 開放
- 赤白旗
- 立哨(りっしょう)、座哨(ざしょう)
- ポスト
- ハーフ、ハーフ現場
- 配置基準
- 件名板
- 規制帯
- A型バリケード(Aバリ)
- 着装
- モール
- 無線機
- 巡回
- 監視
- 出入管理
- 鍵の管理
- 緊急時対応
上番(じょうばん)、下番(かばん)
上番は警備の業務開始を会社に報告すること、下番は警備の業務終了を会社に報告することです。
方交(かたこう)、片側交互通行
道路工事の際、道路の1車線のみを通行させることです。道路工事によって車が走行できる幅を確保できない際に、1車線のみで車が通れるようにします。
開放
交通規制を取り除くことです。たとえば片側交互交通を行っている場合、工事が終わったら解放して道路の通行を元に戻します。
赤白旗
交通誘導の際、車に対し合図を出すために使う旗。赤=停止、白=進行。
- 赤旗をまっすぐあげる:停止予告
- 赤旗を真横にあげる:停止
- 白旗を右上から左下に振る:進行
立哨(りっしょう)、座哨(ざしょう)
立哨は、イベントや施設の来場者案内、警備など、立ったまま行う警備のことです。座哨とは、座って警備を行うことです。エントランスの警備室や、監視カメラのチェックなどを指します。
ポスト
警備員を配置する場所のことです。警備員を常に配置させておく場所を記載した表を「ポスト配置表」と言います。
ハーフ、ハーフ現場
警備時間が4時間の現場のことです。
配置基準
警備の種別ごとに配置が定められている、検定合格警備員の人数です。詳細は警視庁のウェブサイトで参照できます。
参照:検定合格警備員の配置基準
件名板
工事現場に設置されている板のことで、工事の内容や期間などが記されています。
規制帯
工事を行っている場所で、歩行者や車両の通行に規制がかけられている範囲のことを指します。
A型バリケード(Aバリ)
工事現場や建設現場などの周囲で、通行止めに使われるA型のバリケードです。フェンスを用いたバリケードはBバリと呼ばれます。
着装
警備員が制服や装備品を正しく身に着けることを指します。規定に沿った適切な着装は警備員の威厳を保ち、安全性を確保するための基本です。
モール
警笛を吊るす肩掛け紐(警笛紐)のことを指します。制服の一部として右肩から胸元にかけて装着し、警笛を素早く取り出せるようにするための装備です。
関連記事:警備員が付けている紐の正体はモール!その役割と用途について
無線機
警備員同士が連絡を取り合うために使用する、携帯型の通信機器です。広い施設内や複数の警備員がいる現場でもリアルタイムに情報を共有でき、警備活動の連携に欠かせません。
巡回
警備区域内を定期的に見回り、異常や不審な点がないかを確認することです。決められたルートや時間帯に沿って巡回を行い、問題に素早く対処するのを目的とした警備業務の一つです。
監視
防犯カメラの映像や監視モニターを通じて、警備区域内の状況を常に注視することです。不審者の侵入や異常事態をいち早く察知し、的確な対応を取るために行われます。
出入管理
警備区域への人や車両の出入りを監督、管理することです。許可された関係者のみが出入りできるよう受付やゲートで確認を行い、無関係者の侵入を防ぎます。
鍵の管理
施設内の鍵を適切に保管し、管理することです。重要な区域の鍵を紛失や盗難から守るために、施錠や開錠の記録を残し、鍵の貸し出しや返却のルールを徹底します。
緊急時対応
火災や急病人の発生など、緊急事態が発生した際に警備員が行う対応措置です。非常ベルの操作、救急機関への通報や避難誘導など、状況に応じて迅速かつ的確に行動します。
その他警備業務に関する用語

その他、警備業務に関する以下の用語について解説します。
- 警備区分
- 警備業法
- 警備員指導教育責任者(指導教)
- 建築保全業務労務単価
警備業法
警備員や警備会社が守るべき、警備に関する規則をまとめた法律です。主に以下の項目について規定されています。
- 警備業の認定に関する届出や要件
- 警備員の要件や服装、教育 など
警備業法の全文は、以下のページで確認できます。
参照:警備業法
警備員指導教育責任者(指導教)
警備員の指導や教育、現場の監督などを担う国家資格です。警備業務を安全かつ円滑に遂行するための指導・監督を行うため、専門的な知識やスキルが求められます。
関連記事:警備員指導教育責任者とは?仕事内容から合格率、年収まで徹底解説!
建築保全業務労務単価
各省庁の施設管理者が、建築保全業務にあたる業務に対して費用を精算するために用いる参考単価です。
警備業務検定
警備業法で定められた警備員向けの国家資格試験です。施設警備、交通誘導、雑踏警備など6種類の業務区分ごとに1級と2級が設けられ、特定の業務では有資格者の配置が義務付けられています。
まとめ
警備業における専門用語について解説しました。警備依頼の計画作成や警備会社との打ち合わせなど、専門用語を使ったり聞いたりする場面があります。
警備依頼や契約をスムーズに進めるためにも、この記事が、専門用語への理解を深める一助となれば幸いです。
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