コラム
警備業の再委託は可能?必要な認定と注意点を解説
警備業務を受託した際、警備員が足りない、自社で警備員をかかえていないなどの場合は下請け警備会社への再委託が必要です。
警備業務を再委託することは可能ですが、警備業認定や下請法について把握しておく必要があります。
この記事では、警備業務の再委託について、以下の内容を解説します。
- 警備業務の再委託が必要になるケース
- 警備業認定とは
- 下請法に抵触するおそれがあるケース
上記について解説しているので、ぜひ最後までお読みいただき、警備業務を再委託する際の参考にしてみてください。
目次
警備の再委託は可能
施設やイベントなどの警備業務を受注した際、警備員が足りなかったり自社で警備員を抱えていなかったりする場合があります。その場合は、警備業務を再委託することが可能です。
注意したいのが、この場合「再委託」であって「派遣」ではないという点です。
警備員は警備会社と契約して、警備業務を行うので、指揮はあくまで警備会社が行います。さまざまな施設に警備員を出向させている場合に「派遣」という言葉が使われることがありますが、厳密には派遣ではないので注意が必要です。
また、再委託する際は、間に入るすべての会社が警備業認定を受けている必要があります。
警備業務の再委託が必要になる具体的なケース
警備業務の再委託は、以下のようなケースで必要になることがあります。
- 警備会社の人手不足
- 受託したイベント運営において警備が含まれる
警備業務の再委託が必要となるケースについて、1つずつ解説します。
警備会社の人手不足
1つ目は、警備会社の人手不足で、業務に必要な警備員を確保できない場合です。その場合は、下請けの警備会社に再委託するという選択肢があります。
受託したイベント運営において警備が含まれる
2つ目は、受託したイベント運営において、警備業務が含まれているケースです。
イベントの場合は、警備業務を含む業務を代理店がすべて受注することがあります。その場合自社で警備員を抱えていない場合は、警備業務のみ警備会社に再委託する必要があります。
警備業務の再委託には警備業認定が必要
警備業務を再委託する前に、警備業務を含めた業務を受注するためには警備業の認定が必要です。警備業の認定を受けるには、警備業法で定められている欠格事由に該当していないことを誓約する必要があります。
<欠格事由>
- 18歳未満であること
- 破産手続をしており、復権を得ていない
- 禁錮以上の刑、もしくは警備業法違反による罰金刑の執行され5年経過していない
- 暴力団員や反社会勢力とつながりがある
- アルコールや薬物の中毒者である
- 集団的または常習的に、暴力的不法行為や違法行為を行う可能性があると判断できる
- 心身に障害があり、警備業務を適正に行うことができないと判断できる
参照:警備業法 第二章 警備業の認定等(警備業の要件)第三条
警備業認定をうけるにはどうしたらよいか
警備業認定を受けるためには、主たる営業所を管轄している警察署への申請が必要です。
警備業は1号〜4号に分類されており、該当する区分を選択して申請します。申請書と必要書類を提出し、受理されたあと40日程度で認定が下り、警備業を営むことが可能になります。
警備業認定の期限は5年です。更新の場合は期限の30日前までに、主たる営業所を管轄している警察署に必要書類を提出します。間に合わなかった場合は認定を返納し、再度申請しなおす必要があるので、注意が必要です。
警備業認定の申請ならびに更新については、以下の記事で詳細を解説していますので合わせてご参照ください。
下請法違反になるケース
警備業務を下請け会社に再委託する場合は、下請法について確認しておくことをおすすめします。場合によっては下請法違反になることがあるので、注意が必要です。
全国警備業協会の資料によると、以下のケースで下請法に抵触する可能性があるとしています。
【書面の作成、交付、保存】
元請け企業が下請け企業に口頭(電話)で発注したが、その後注文書を交付しなかった
【支払い遅延】
下請け企業からの完了報告書の不備を理由に、警備業務完了から60日を経過しても代金を支払わなかった
【代金の減額】
下請け企業に支払う代金を引き下げ、引き下げた単価をさかのぼって適用した
【買いたたき】
元請け企業が急遽変更となり、大幅に減額された代金を提示された
【その他】
- 購入・利用強制
- 不当な経済上の利益の提供要請
- 不当な給付内容の変更及び不当なやり直し
参照:全国警備業協会 「警備業における適正取引推進等に向けた自主行動計画」
警備業務の再委託のご相談は警備ドットコムへ
警備業務を、下請けの警備会社に再委託することは可能です。
ただし、間に入るすべての会社が警備業認定を受けていなければなりません。警備業務を含む業務を受託する前に、警備業の認定を受ける必要があります。
警備業務を再委託する際は、支払いや単価などについて下請法に抵触しないよう注意が必要です。
警備ドットコムでは、警備業務の再委託のご相談も承っております。警備ドットコムは、警備を依頼したい方と警備会社をつなぐ紹介サイトです。最短即日でお見積もりをいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。