コラム

契約前に必読!警備会社の賢い選び方を解説

事業を運営するうえで「警備会社の選び方」は大きな課題です。警備の質が低ければ、万引やトラブル、事故といったリスクに直結し、経営そのものに影響を与えかねません。だからこそ、自社に必要な警備サービスを見極め、信頼できる会社を選ぶことが重要です。

本記事では、警備会社を選ぶ前に整理すべき視点から、比較・検討の際に押さえるべきポイント、見積もりや保険確認の方法までを詳しく解説します。

警備会社を選ぶ前に考えること

道路を警備している警備員の後ろ姿とその奥に横断歩道が見える写真

警備会社を選定する前に、自社の現状体制を整理し、課題を把握しておくことが大切です。事前の準備が、自社にとって最適な警備会社との取引につながります。

ここでは、警備会社を選ぶ前に考えるべきポイントを紹介します。

  • 自分の事業に必要な警備上のサービスを洗い出す
  • 警備会社の乗り換えを考えている場合は、契約中の会社に対する不満を明確化しておく

経費をできるだけ削ったうえで予算額を決める

それぞれについて詳しく解説します。

自分の事業に必要な警備上のサービスを洗い出しましょう

駐車場や店舗の導線確保のほか工事現場の交通整理など、経営する事業によって警備に求められる業務内容が異なります。

駐車場ならば、車の出入庫整理が主要な業務になり、店舗なら万引防止や客の案内など、人間相手の仕事が中心になるでしょう。警備会社に対して、どのようなサービスを要求するかを予め整理しておかなければなりません。

警備会社と契約する際には、どんな業務を委託できるか確認する必要があるからです。自社に必要な業務が可能な警備会社をリストアップし、見積もりと予算をつき合わせて、最適な会社を選ぶことが重要なのです。

警備会社の乗り換えを考えている場合は、契約中の会社に対する不満を明確化しておくこと

既に警備会社と契約している場合、業務内容に不満があって他の会社に乗り換えたいと思っているのなら、何が原因なのか明確にしておかなければなりません。

たとえば、駐車場の警備員が車の出入庫管理だけに徹して、来客に対する接客態度に問題があると感じているケースでは、警備会社が接遇に関する教育を行っているかどうかをチェックする必要があるでしょう。

経費をできるだけ削ったうえで予算額を決めること

警備会社を決める前に予算の目途を立てておくことは大切ですが、業務に必要な警備員の人数や拘束時間の見直しによって、かなり節減が可能です。

案内板を設置したり、車や来客の導線を工夫したりすることにより人員削減でき、繁忙期と閑散期で人員の増減を調整することもできるでしょう。こうした変則的な勤務形態についても柔軟な対応が可能な警備会社を選ぶことも大切です。

用途別マップ:1〜4号業務の違いと該当ケース

警備業務は、その目的や対応範囲に応じて1号〜4号に区分されています。それぞれの業務には役割や対象が定められており、内容に応じて最適な区分を選びましょう。

区分ごとの主な内容と該当ケース例は、以下の通りです。

区分主な内容該当ケース例
1号業務施設警備巡回警備保安警備機械警備オフィスビルや商業施設での常駐警備深夜の施設内巡回デパートでの万引き防止警備監視カメラ・警報装置による監視
2号業務交通誘導雑踏警備業務道路工事現場での車両誘導イベントでの来場者導線整理
3号業務運搬警備業務現金・貴金属・美術品の搬送危険物の運搬
4号業務身辺警護経営者・要人・アスリートの護衛

自社のニーズに合った区分を理解することで依頼のミスマッチを防ぎ、効率的に必要な警備を導入できます。

警備会社を選ぶ際に比較するポイント

警備会社を選ぶ際は、さまざまな角度から比較することで、安心して長期的に任せられる最適なパートナーを見極められます。警備会社を選ぶ際の比較ポイントは、以下の通りです。

  • 法令を遵守しているか
  • 体制・SLAの確認(欠員補充/緊急対応/報告フロー)
  • 警備会社の営業所が近くにあるか?
  • 警備員の教育が行き届いているか?
  • 事業所の要求に対して柔軟な対応が可能か


それぞれについて詳しく説明します。

法令を遵守しているか

最初に確認すべきは、各社の法令適合性です。2024年4月1日以降は、従来の「認定証」に代わり、公安委員会の認定を示す「標識」の営業所掲示とWeb掲示が義務化されています。

標識で確認できる項目は、以下の通りです。

  • 認定を受けた公安委員会名
  • 認定番号
  • 有効期間
  • 氏名または名称
  • 主たる営業所の所在地

依頼前には相手社サイトの標識ページを必ず確認し、上記の項目が正しく掲載されているかをチェックしましょう。未掲載の場合は法令違反の恐れがあり、候補から外す判断も有効です。

参考:お知らせ~警備業法の改正の要点について~|警視庁

体制・SLAの確認(欠員補充/緊急対応/報告フロー)

警備会社の信頼性は、欠員や緊急時にどれだけ迅速かつ確実に対応できるかで決まります。

欠員時には「何分以内に連絡」「何時間以内に代替要員を配置」といった補充基準を明確にし、代替要員の資格条件も契約段階で確認しておきましょう。さらに、緊急時の一次窓口やエスカレーション表、現場責任者の常駐有無をチェックし、日報から月次報告まで、情報共有が適切に行われているかも確かめます。

営業所の有無や距離よりも、まずはSLA(サービス品質基準)で定められた対応時間を基準に比較することが、信頼性の確保につながります。

警備会社の営業所が近くにあるか?

警備員が業務を開始した後、必要に応じて細かい指示を出すことが多いですが、警備員は警備会社からの指示以外には従わなくて良いことになっているので、警備を依頼した事業者は直接警備員に指示できません。

そのため、警備会社の上司がすぐ現場に来られるような近所に営業所があることが望ましいでしょう。電話でやり取りすることも可能とはいえ、現場の状況を把握しないと部下に指示を出せないことから、警備会社の上司が現場に来るまで指示が出ないことも少なくありません。

そこで、警備会社の上司がすぐ現場に来られるような近所に営業所があることが望ましいでしょう。不特定多数の客が訪れる店舗や駐車場では、予想もしないトラブルが発生することもあり、警備会社と緊密な連絡が取れる体制が欠かせないのです。

警備員の教育が行き届いているか?

警備会社の優劣は、警備員の質で決まると言っても過言ではありません。実習を含めきちんと教育を受けた警備員は、勤務態度が良く、求められる業務を忠実にこなせます。

最新の警視庁基準では、一般警備員に対して次の教育が定められています。

  • 新任教育:基本教育と業務別教育を併せて20時間以上実施
  • 現任教育:基本教育と業務別教育を併せて10時間以上実施

また、警備員教育の質を見極めるために警備会社を比較する際は、以下の点を確認しましょう。

  • 指導教育責任者が在籍しているか
  • 1級・2級検定合格者や機械警備業務管理者などの有資格者の有無
  • 教育記録や資格者証の写し、年次教育計画といった裏づけ資料を提示できるか

一方で、教育はOJTのみ、実績を示せないなどの回答がある会社は教育体制が不十分な可能性があります。

参考:警備員に対する教育時間|警視庁

事業所の要求に対して柔軟な対応が可能か

警備業務がパターン化され、決められた仕事以外はしないという警備会社では、現場で起きる様々な事態に対応できません。警備を依頼する事業所が細かい要求をした場合、可能な限り前向きに対応してくれる警備会社を選びましょう。契約前に店舗や駐車場を調査し、要望に応じて実情に即した予算を提案してくれる警備会社もあります。

見積もりの見方と相見積の評価表

御見積書と電卓、ボールペン、植物が写っている写真。

警備会社の見積もりは「価格の安さ」だけで判断せず、内訳と条件を読み解いて評価しましょう。費用構成を丁寧に確認することで、後日の追加請求や認識の齟齬によるトラブルを防げます。

確認すべき主な費目は、以下の通りです。

  • 労務単価
  • 深夜・休日の割増料金
  • 管理費
  • 交通費
  • 機材費
  • 待機費

また、複数社を比較する際は、評価表で基準を数値化すると客観性が高まります。

例えば、100点満点で各項目に配点を設定します。

  • 法令順守(20点)
  • 教育・資格(20点)
  • 体制・SLA(20点)
  • 同種実績(20点)
  • 価格・内訳の透明性(20点)

数値化することで、金額比較だけでは見えにくい会社の信頼性や運用体制の差を可視化でき、最適なパートナー選びにつながります。

費用内訳や算定の考え方については、以下の資料をご参照ください。

参考:「警備料金標準見積書」の策定について|一般社団法人 全国警備業協会

賠償責任保険の加入確認(証明書のもらい方)

賠償責任保険への加入有無は必ず確認し、見積もりを依頼する際には証明書の提示を求めましょう。必要に応じて代理店や引受保険会社に付保証明書の発行を依頼することも可能です。

チェックすべき項目は、次の通りです。

  • 補償範囲(対人・対物など)
  • 保険期間
  • 支払限度額
  • 免責金額
  • 特約の有無

特に事故リスクが高いイベントや交通誘導の現場では、支払限度額を比較して検討することが安心につながります。

警備会社とマッチングできるサービスの紹介

事業所がそれぞれの事業に最適な警備会社を探すのは容易ではありません。警備会社の上手な選び方がわからなくて困っている事業者は、警備会社のマッチングサイトを利用すると良いでしょう。

マッチングサイトでは、工事の交通警備や施設巡回のほか、貴重品の運搬警備やイベント警備などの中から自分の事業に適したジャンルを選び、希望地域を入力すれば、警備会社の候補が挙げられます。

掲載されている警備会社の概要も閲覧でき、会社の方針や対応可能なエリアなどもわかります。気に入った警備会社をリストアップし、見積もりを出してもらって絞り込むと、最適な警備会社を見つけられるでしょう。

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契約前に実地調査と交渉を重ねましょう!

最適な警備会社を選ぶには、自社に必要な警備業務を明確にし、候補会社の現場を実際に確認して警備員の態度や教育水準を見極めることが大切です。さらに、SLAや緊急対応力、法令順守、保険加入の有無まで漏れなく確認しましょう。

また、複数社から相見積もりを取り、費用内訳と条件を丁寧に比較すれば、「信頼性」と「実効性」に基づいた判断ができます。マッチングサイトを活用して候補を絞り込み、直接交渉や現場確認を重ねることで、自社にとって安心できるパートナーを選ぶことができるでしょう。