コラム
警備業法の25分ルールとは?ルール遵守のためにすべきこと
トラブルや異常の発生を検知した際は、警備員は可能な限り早く現場に駆けつけ、対処する必要があります。
警備業法には、異常を検知してから25分以内に駆けつけることが努力義務として定められています。25分ルールを遵守するためには、日頃の教育や警備員の配置場所を工夫することが重要です。
この記事では、警備業法における25分ルールについての詳細と、25分ルールを遵守するための方法について解説します。
目次
警備業法の25分ルールとは
警備業法における25分ルールとは、異常が発生した情報を受け取ってから25分以内に該当の現場に到着しなければならないルールです。警備業法施行細則の第5条で、以下のように定められています。
法第43条の規定による警備員、待機所及び車両その他の装備の配置は、基地局において盗難等の事故の発生に関する情報(以下「異常発信」という。)を受信した場合に、その受信の時から25分以内に当該現場に警備員が到着することができるように行わなければならない。
引用:警備業法施行細則
ただし、北海道のように土地が広大な地域の場合は、25分以内でなく30分以内の到着と定められています。
事故や犯罪が発生した際、対応が遅くなればなるほど事態は悪化してしまいます。25分以内に駆けつけ、対応にあたる必要があります。
25分ルールが適用される警備業務
警備業務は、警備業法の区分で1号〜4号に分類されます。このうち、25分ルールが適用されるのは1号警備です。
1号警備は、施設警備と呼ばれる警備です。ショッピングモールやオフィスビル、マンションなどの施設を警備します。
警備員が常駐していたり、巡回していたりする場合は比較的早く駆けつけられます。
常駐していない場合や、遠隔で監視する機械警備を行なっている場合は到着に時間がかかることもあるため、25分以内に現場に到着できる仕組みを整えておくことが重要です。
25分ルールを守れなかった場合
25分ルールは警備業法で定められてはいるものの、努力義務であるため守れなかった場合の罰則はありません。
ただし、25分ルールを守れていないと公安委員会から指導される場合があります。
また、あまりにも到着時間が遅い場合は、社名公開や営業停止・認可取り消しといった行政処分といった処置がなされる場合があるため注意が必要です。
なにより、25分ルールは警備会社の信頼にかかわることでもあります。異常を検知した際はすみやかに行動し、25分ルールを遵守するようにしましょう。
警備の25分ルールを守るためにすべきこと
警備の25分ルールを守るためには、警備員に対する教育や25分以内に到着できる仕組みづくりをしておくことが重要です。
25分ルールを守るために行っておきたい、以下の対策について解説します。
- 警備員への周知・教育
- 異常発生時を想定した人員配置
- 異常発生時のオペレーション構築
- イレギュラー発生時のマニュアル整備
警備員への周知・教育
25分ルールを遵守するために、ルールついて警備員に周知し、教育しておくことが重要です。
特に新人の警備員や、土地勘のない警備員の場合、対応や移動が遅くなってしまうことも考えられます。異常発生時のシミュレーションを行い、訓練しておくことが望ましいでしょう。
異常発生時を想定した人員配置
異常を検知してから25分以内に駆けつけることができるよう、配置をすることも重要です。
1人の警備員の担当範囲が広すぎると、25分以内に駆けつけることが難しくなってしまうことがあります。
警備員を配置する際は、25分ルールを考慮して配置箇所や区分、担当エリアを決めることが重要です。
異常発生時のオペレーション構築
異常発生の情報を受け取ってから現場に向かうまでのオペレーションをあらかじめ構築しておき、実際のケースですぐに動けるようにしておくことも重要です。
- 異常発生時の連絡先、連絡方法
- 移動手段
- 到着してからの対応方法
上記についてあらかじめ決めておき、警備員に周知しておきましょう。
事故発生時、犯罪・不審者の発生、自然災害など、ケース別に取りまとめておくことで、異常が発生した際も慌てずに行動できるようになります。
イレギュラー発生時のマニュアル整備
異常発生を検知してすぐに現場に駆けつけることが望ましいですが、途中でイレギュラーが発生し、移動の妨げになる可能性もあります。
渋滞や、自然災害で移動経路が塞がっているなど、想定されるイレギュラーについてのマニュアルを取りまとめておくことをおすすめします。
その場合の対処法や関係機関への連絡方法などについて取り決め、警備員に周知しておくことが重要です。
警備会社に依頼する際は25分ルールへの対応をチェック
警備会社に警備を依頼する際は、25分ルールを遵守するためにどのような取り決めやマニュアル整備、警備員への教育を行なっているかチェックしておくのがおすすめです。
また、過去に25分ルールを違反していないかも確認しておくことが重要です。
まとめ
警備業法における25分ルールとは、異常を検知してから25分以内に現場に駆けつけることを言います。努力義務であり守れなかった場合も罰則はありませんが、会社の信用問題に関わることなので対策しておく必要があります。
25分ルールを遵守するためには、日頃から警備員に教育を行うほか、25分以内に駆けつけることを想定して現場に配置することが重要です。
警備会社に警備を依頼する際は、25分ルール遵守のための対策を行っているかどうか、確認しておくことが推奨されます。
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